僕は写真を始めてから、
これまでの自分の感性から大きく変わりました。
写真に限らず、絵や音楽や芸術など
文化的な作品を作るためには作者の
「感性」
が大きく影響しますよね。
あまり、文化的な分野を得意としていない方は
「自分はそういう感性がないから」
とか
「そんな才能はもともとない」
といって、要は「自分には無理」だという話をよく聞きます。
そして、僕自身も写真を始めるまではそう思っていました。
感性とは生まれ持っている才能のようなもので、
美術や芸術は縁遠いものだと。
でも、今となっては「感性」って自分で作れるものだと思っていますし、
昔の自分から考えるとびっくりすることばかりやっています。w
「素敵」とか「綺麗」とか「可愛い」とか
自然に口にしたり。
美術館なんて上流階級の上品な趣味を持った人が行くと所だと思っていましたが、
特に無理せず普通に美術館とかに行ったり、
絵を鑑賞したりしています。
写真を始める前の僕からすると
天変地異が起きてひっくり返る感じです。
いや、本当にですよ!
でも僕が長年写真を中心に感性を磨いてきたとというと少し大げさになりますが、
ある程度自分のイメージに近い写真を撮れるように
なったのは、「感性」というものが大きく関わっているからだと思っています。
そして、その「感性」というのは
僕は抽象的なものではなく、
具体的なものなんだと経験的に感じています。
そして、その仮説を元に色んな人の話や、
僕のこれまでの変化や体験を顧みるとある程度
間違っていないものだと最近考えるようになりました。
僕の仮説というのは、こういうことです。
感性とは、
その人がこれまで頭の中に
ストックされたイメージの数と
そのイメージが
写真の6つの構成要素
(色、光、構図、絞り、シャッタースピード)
にどれだけ分類されているか。
そして、その様々なイメージや
構成要素別に分けられたものをいかに
組み合わせて新しいイメージを作り上げられるか。
ということではないかと思っています。
色んな写真や風景をたくさん見て、
自分の頭の中にライブラリーを充実させ、
その頭の中のライブラリーから自分の
しっくり来るものを選んでいるのだと思うんです。
そのライブラリーの充実度で私達は
「感性が豊か」
といっているのでうはないでしょうか。
そんな仮説がある程度あっていそうだと
感じたTV番組がありました。
先日NHKでミュージシャンの矢野顕子さんと
宇宙飛行士の油井亀美也さんが、
お互いにインタビューし合う
「SWITCHインタビュー達人達」
での一部です。
その中で矢野さんが感性について話していました。
「感性とはなにもない宇宙空間に本って隕石が
通ったときとか、
そういうものよりは元々ちゃんとあるもの。
私の場合は、ピアノを習っていたり、
ビートルズの曲を聞いていいなぁと思ったり、
そういうものが細かくパイみたいに積み重なって
多分体の中に入っている。
つまり、それが土壌のようなもので、
そこから芽が出たもの。
いい音楽、好きな音楽をいっぱい聞いてください。
幅の広さと深さを鑑賞する能力が育ち、受け皿、土壌が育つわけだよね。
土壌が痩せてたら作れない。
美味しいレタスになるためには、
いい音楽をたくさん聞いて聴き分ける。
いい音楽とはなにか聴き分ける、
音楽的洞察力を育てる。
やっぱり、いい模範を見ないとわからない。」
この話を聞いて、
これは間違いなく写真にも言えることですし、
自分が考えていることを言い表しているものでした。
単純に「音楽」を「写真」に変えても言えることです。
だから、芸術的な感性は生まれつきではなく
身につけようと思えば身につくものなのです。
もちろん小さい頃から、
感性が育つような環境にいれば
もちろん子供のスポンジのような吸収力と
開始が早いのもあり、あたかも
才能であるかのように思えるかもしれません。
それは当たり前です。
だってキャリアが違うんですから。
でも、それをどうのこうの言ったところで
あまり意味はありません。
スタートは遅くともちゃんと、
少しずつでも感性を育めばその分育つのです。
僕が何が言いたいのかというと、
なんとなく自分の感性は酷いと思っている方に
そんなことないということを伝えたいのです。
別に写真でなくてもいいので、
自分に関係ないと思っている方も
一度感性が育まれることによる
視点の変化を感じてもらい、
感性豊かになっていく感じを
実感してもらいたいなと思っているんです。
最近、よく思うのですが
「綺麗だな」とか「素敵だな」
自然に感じることって人間にとって
とてもとても大事なことだと思うんです。
人間らしい感情ですし、
その感情は日々の生活を豊かにします。
その変化は人生を変えると
僕は思っています。
だから、僕もその素晴らしさを伝えたく
このようなフォトグラファーの活動をしています。
特に写真というのは、
とても身近な存在であり、
今ほとんどの人が簡単に写真が撮れる
環境にあります。
せっかくの身近な環境なんですから、
ちょっとでもいいので踏み込んでみて、
自分の感性を育んでみてはいかがでしょうか。
年齢を重ねていたとしても遅くはありません。
変化することが大事だと思いますので。
僕もどういう視点で写真を見ていけばいいのか、
ということをお伝えできるような発信を
していこうと考えていますので、
もしよければ引き続き何かの参考にしていただけたらと思います。
それではまた。